今回は、「あの鐘の音と共に-THE BELL 2025-」通称「あの鐘2025」の顔合わせ時に、ACTMENT PARKの代表で、本作の脚本・演出・プロデューサーを務めている岡本一馬による、顔合わせ挨拶を文字起こしいたしました!
皆様、お楽しみください!
(※途中、岡本の指示により、順番を入れ替えたり加筆している箇所がございます。)
「あの鐘2025」顔合わせ挨拶
皆様、こんにちは。ただいまご紹介に預かりました、ACTMENT PARK代表で、本作の脚本・演出を務めさせていただきます、岡本一馬です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、皆様お忙しい中お集まりいただき、本当にありがとうございます。
3年前に上演し、大絶賛を得た作品・・・!好き!
この作品は、皆様も前情報で知っていただいている方も多いかもしれませんが、3年前に上演をした際、お客様から大絶賛をいただき、リピーターチケットの購入者が続出したというACTMENT PARKにとっての自信作となっております。
ACTMENT PARKに限らず、自分自身、この作品やエレノアやベラ、グレース、ジェームズ、サントクレア市民の1ファンのような気持ちで、自分にとって大好きな作品です。家族愛や友達への愛、街への愛や、あらゆる愛。そんな愛にあふれた作品だなと思っています。こんなにも愛にあふれた素敵な作品は、他に存在するのかな。と、そんなふうにさえ思うほど、親バカのような気持ちで、この作品が大好きです。
そんな、お客様にも受け入れられた、あの鐘の音と共にを、3年ぶりに再演と言う形で、今回は主演のエレノア役に、青野紗穂さんをお迎えして上演をいたします。
初演よりも、1段階も2段階もグレードアップさせた、あの鐘の音と共に-THE BELL 2025-を皆様と一緒にお届けできること、非常に楽しみに、幸せに思っています。
これから、千秋楽までの約2ヶ月間、皆様と共に作品を作り上げていくわけですが、今日は、皆様に2点ほど、話をさせていただきたいなと思っています。
自分史上最高の2ヶ月を!
まず、一つ目は、この2ヶ月間を単なる通過点の2ヶ月だけではなく、自分史上、最高に充実した2ヶ月にしていただきたいと思っています。
今作では、キャスト総勢46名のトリプルキャストという、かなりの大所帯での興行となります。46人いれば46通りの人生や価値観、経歴や目標、スタンスがあるかと思います。ですが、この2ヶ月間は、誰一人として、もれなく、今まで生きてきた2ヶ月間史上、最高の2ヶ月を過ごした。と、未来の自分に胸を張って言える。そんな時間を過ごしていただきたいと思っています。
そして、2つ目
サントクレアの街に生きてほしい!
自分は、アンサンブルやプリンシパルという言葉があまり好きではありません。もちろん、ミュージカルを作っていく上で、プリンシパルや、アンサンブル、スウィング、アンダー等、興行の枠組みとして、大事な考え方。というのは、理解しています。
ただ、自分の作品では、特に、今作では、アンサンブルもプリンシパルも無いと思っています。なぜなら、自分の人生で「俺の人生、今アンサンブルだわ。」なんて思うことは、ないと思うんですよね。たとえ、人見知りであっても、誰かと馴染めなくても。輪の中心にいてもいなくても、それぞれの人生はそれぞれのものであって、そこには必ず、その人のドラマや人生が生まれていると思います。
今回のサントクレアでは、そんなそれぞれの人生を、役を通して生きてほしいと思っています。当然、ミュージカル・お芝居だから、自分とは別の他の誰かを演じます。エレノア、リア、マリア、ゴードン、メリッサ、サントクレア市民・・・。
「皆さんが演じるのは、自分ではない誰か。でも、実は、その演じている誰かは、自分だ」
ってことを理解していてほしいです。哲学の話しています(笑)。演じているのは他の誰かでも、演じているのは自分。じゃないと、いくら上手く踊っても歌っても芝居しても、それは単なる見せかけのキャラショーみたいになっちゃう。見ている人は、全部見抜くし、そんなもの、自分も求めていません。
自分ではない他の誰かを、自分として、生きていてほしいです。
主役は、サントクレアという街
そして、この作品の登場人物は、全員漏れなく、サントクレアに生きる市民です。エレノアもメリッサも、グレースもジェームズもメリッサも、みーんなサントクレアの市民。つまり、ちょっと難しいことを言うと、作品の構造として、実は、“街”自体が主役になる。というような構造で作っています。
物語の主役は、もちろんエレノアです。それは紛れもない事実ですが、エレノアが帰りたい。と思うのも、愛したいと思うのも、居続けたいと思うのも、サントクレアに生きる市民が作り出した”街”なんですよね。ジェームズが言うように、みんなが笑えば、街も笑う。みんなが泣けば、街も笑う。と言うように、街とは、そこに生きる人々。つまり、今回でいうと、サントクレアに生きる皆さん自身なんですね。
そんな街で、エレノアを中心に物語が進んでいくから、見ていただいた方からは、エレノアを物語の主人公として、エレノアが感じるテーマや感情、驚きや興奮を一緒に感じるというようなそんな作りになっています。
いかに、見ていただいた方に「そりゃ、エレノア、あの街にいたいよね。」とか「自分もサントクレアに行ってみたいな。」とか、そんな風に思わせられるかが勝負だと思っています。
サントクレアに生きたい。行きたい!
今作、出演してくれる人の中には、オーディションの際、「初演を客席で見ていて、死ぬほど泣きました。自分もサントクレアの街の一人として、生きたいです!」と言ってくれる方が、かなりいました。今度は、そう感じていただいた思いを、今度はお客様にもお届けしてほしい。そのためには、舞台上で皆さんが枠組みを超えて「生きる」ってことをしてほしいです!そして、お客様をサントクレアの街に旅させてあげてほしいです!
もちろん、セリフや名前のある役の方は、そんな街の思いを背負って、言葉を発し、感情を表し、お客様を乗せて運んでいる。という自覚と責任を持って、取り組んでいただきたいと思います。
自分は、皆様が役を通して放つ生き様を見て「その生き様面白いから、もっと舞台的にこう見せよう」とか「こういう表現で、お客様に届けよう」とか、そんな形で演出をしていくのが自分の役目だと思っています。その先に、めっちゃ揃ってる振りや、最高の歌がついてくる。そんな順番で作品を作り上げていけたらいいなと思っています。
作品のゴール
この作品のゴールは「満席のお客様に、あのサントクレアの街に行きたい。」と思ってもらうこと。そんなことを頭に置いて、この2ヶ月間、千穐楽まで誰一人欠けることなく、走り抜けられたらと思っています。
最後になりますが、自分は、演出家として、そして、裏ではプロデューサーとして・・・。この、「あの鐘の音と共に-THE BELL 2025-」という作品を、最後の1分1秒まで、最高の場所に到達できるよう導いていきます。ですので、間違いなく自分を信じてついてきてください。そして、サントクレアに生きるエレノアに、最高の景色を見せてあげたいです。そして、その景色を見ていただいた方と分かち合いたいです。皆さんの持つ技術やパフォーマンス、本気をばちばちぶつけてきてください!全部受け止めさせていただきます!
長くなりましたが、改めて、満席のお客様にあの鐘の音と共に-THE BELL 2025-という作品をお届けできるよう、これから2ヶ月間、どうぞ、よろしくお願いいたします!

