ACTMEMNTPARKのここが楽しい!

2024年04月14日 | コラム

オリジナルミュージカルができるまで

こんにちは。

(株)ACTMENT PARK代表としてオリジナルミュージカルを制作している、脚本家・演出家の岡本一馬です。

今日は、株式会社設立4年目(前身から数えると7年目)を迎えたACTMENT PARKが、一体どのように生まれ、どこを目指しているのかに触れながら、今日までの軌跡をご紹介していきたいと思います。

設立してから、まだ4年目の(株)ACTMENT PARKが、ありがたい事に多くの皆様からご声援をいただき、ローチケ(東京で公演されているミュージカルだけではなく、日本全国のミュージカル情報が掲載されるLAWSONのポータルサイト)で「注目の公演」に取り上げられるようにまでなった軌跡を、現在のミュージカル業界、引いてはエンタメ業界全体を取り巻く環境をもとに、分析をしてみました。

どうぞ、この”奇跡”のような”軌跡”をお楽しみください!

誰もが楽しめる”場所”や”空間”を創造したい。

ACTMENT PARKとは「ACT×AMUSEMENTPARK」を掛け合わせた造語です。お芝居が生み出す空間をどんな方にも楽しんでほしい。まるで、アミューズメントパークのように。そんな思いが込められているACTMENT PARKには、現在までに、延べ1万人以上の方がご来場くださいました。把握している限りでは、最年少は3歳の男の子。最年長は89歳のおばあちゃんまで。

まさに、ACTMENT PARKが掲げる、老若男女問わずー。

本当にそうなの?

「いやいや、ちょっと待ってよ。まぁ機会があれば、見に行ってもいいけど、自分は、舞台なんて自分は見た事ないし、ミュージカルなんて行った事ない人の方が多いよ。てか、ファンの人達がいくものじゃないの?誰もが楽しめるって、どうやって?」

なんて声が、日本のあちらこちらから聞こえてきそうです。それもそのはず、ミュージカル業界を取り巻くアクティブユーザー層は、約90%が女性。約90%が20代~40代と言われています。さらには、市場規模も、映画に比べてはるかに下回っている・・・。

「ほーら!層もだいぶ偏ってんじゃん。”誰もが”っていうのは、男性も女性もどちらの方もどちらでもない方も、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで、みんなの事を言うんじゃないの?そんな中でどうやって?」

今度は、そんな声が聞こえてきそうです。


いえ。厳密に言えば、このセリフは、聞こえてきたのではなく、筆者自身が発していたのです。ほんの、数年前まで。これからミュージカルを作るぞ!という自分に対して、自分自身が。

ほほう。ミュージカルの制作会社を作るには、まず、ここの問題を解消しないとどうにもならんぞ。確かに、当時、20数年生きてきて、家族でミュージカルも舞台も観に行った事ないよな・・・と。

26歳、ミュージカル舞台鑑賞、未経験男

自分は、ミュージカルの舞台を、生まれてから26歳まで、一度も見たことがありませんでした。

「大変失礼ながら、役者の方は知らないし、当然作品も知らない。歌って踊って芝居するって言うのはなんとなくわかるけど・・・。え、それって、どんなの?そもそも、ドラマ見てても木村拓哉さんは美容師なんだって思っていた時期があったくらいの幼少期だったし・・・。」(その後、自身が役者をする事になり、美容師じゃなかった・・・!え、凄すぎるじゃないか役者って・・・!と衝撃を受ける事になるのですが。)

そんな男が、これからミュージカルやりたい!と思うなんて、完全に、舐めんなよ、状態です。
そもそもなんで?なんでミュージカルやりたいなんて思ってるわけ?

でも、頭には、明確に描いていたものがありました。

ロサンゼルスの衝撃

6歳か7歳の時に、アメリカのロサンゼルスで生まれて初めて見たディナーショー。父親と母親、親戚の叔母、同い年のいとこ、1歳下の妹と4歳下の赤ん坊のような弟が、自分がこれまで見たことのないような、爆発しそうなほどの笑顔をステージに向け、「フー!」と叫び、その瞳を直視できないほどキラキラ光らせていたあの光景。

なんだこれは・・・!

自分は、あの瞬間をずっと覚えていて、あの瞬間をまた感じたい。生み出したい。言葉なんて一切分からなかったけど、とにかく楽しくて、父親と母親が子供みたいに楽しそうだったあの空間にずっといたい!東京で1人、暗中模索の中、漠然とそう思っていた時、人生で初めて、日本で某有名なミュージカルを見に行く機会が訪れました。26歳の時に。(おっそ!!!!!でも、それが現実。)

初めてのミュージカル

初めて見た舞台のミュージカルは、すっごく面白かったし、飛び上がるくらい興奮したし、涙が出るほど感動した。なんて素敵なんだ、そう思いもしました。しかし、最も自分を震えさせたのは、終演後、割れんばかりの拍手の残響を浴びながら席を立ち、客席から劇場を出るまでの、劇場内に充満していたあの高揚感。お客さんの笑顔。目の輝き。踊っていた劇場ロビーの空気。気温や天気さえ、肌で感じた全ての事。

なんだ、この笑顔は!そして、なんだこの興奮は!!なんだこの空間は!!!

そう、そこには、舞台という世界の向こう側に、とてつもない興奮と感動の世界があったのです!

これだ・・・!ロサンゼルスで感じた、あの日と同じやつだ!!

何かが降りてくるとは、まさにこの事だ。そう感じました。2016年、当時26歳、目指したい姿や望む事はなんとなくあったものの、まだ漠然としていた時に、神様のダーツの矢が自分の全身に突き刺さりました。

「オリジナルミュージカルを作って、大勢の方々とこの瞬間を共有したい。父と母のあの顔を見たい。」

それ以来、自分のミュージカル人生が始まりました。

ミュージカルって一体なんなの?

26歳になった一人の男が、ミュージカルの世界への入り口を開けてからというもの、友達が出ているミュージカルに何度も足を運び(どういうわけか、奇跡的にミュージカルで活躍している友達が何人かいました。)、DVDになっているミュージカル作品も見まくりました。(「あれ、ディズニーもほとんどがミュージカルだったんじゃん!」と気づき、20本以上持っていたDisneyのVHSをもう一周見たのもこの時期でした。ちなみに”オリバー”と”ジャファーの逆襲”が大好きです。)


またこれは、自分の習性でもあるのですが、色んな作品を満遍なく見ると言うよりは、「面白い!」と思った作品は映画だろうと舞台だろうと、5回でも10回でも何回でも見る。セリフも歌も、覚えるほどに。まるで、研究者のように同じ作品を見尽くします。それでいて、子供のようにフレッシュな気持ちで。

キャストと心が通う時


そんな見方をしていたら、ある事に気づくんです。

「このシーン、メインの周りで踊って芝居してる人、すっごい素敵。」

もう一回見返すと、さらに気づくんです。

「このシーンの、この人!絶対いま、こう思ってるって!」

舞台ならこうも思います。

「あれ、今日いつもよりこのキャスト、ノってるぞ!」

その瞬間、その作品の世界で生きているキャストと自分の心が通ったような気がして、顔が綻んでいる自分に何度も出会いました。こうして、26歳にして初めてミュージカルの舞台に出会った男は、ミュージカルとはなんぞやを、日々研究していきました。

とは言っても、デートに選ぶのは映画?ミュージカル?

話はだいぶ逸れてしまいましたが、冒頭で述べたように、舞台を見に行く人すら、かなり限定されている中で、ミュージカル畑でもなかった自分が、ミュージカル作りたいです!と威勢よく手を挙げたところで、舞台好きの人でさえ見向きもしないだろうし、舞台を見た事のない老若男女なんて到底無理だよな。という悩みに苛まれていきました。

うーむ、どうしたものか。だってさ「デートで映画行こうよ!」というのは、自分も経験したし、聞いたことはあっても「デートで舞台行こうよ!」っていうのは、言った事も、聞いた事もないもんな・・・。

舞台/ミュージカルに関するイメージ

  • 舞台って難しいイメージ
  • そもそも触れる機会なくない?
  • 誰と行くの?
  • デートで行くにはリスクが高いし・・・。
  • ポップコーンとか食べたいじゃん。

なるほど。分かるよ。すっごい分かる。26年間、自分もそうだったから。明るくて華やかな世界が大好きな自分ですら、26年間、出会えなかったんだから。


でも、裏を返せば、見た事がない人のネガティヴ要素を取り除くには、

  • 何か食べれるような気軽さがあって
  • 簡単に誰かと一緒に行けて
  • 単純明快で爽快で
  • 見た後に行って良かった!

と思わせたら良いのか。

やっぱり、思い出すのはロサンゼルスのディナーショー


そんな時、やっぱり登場したのが、幼い頃に連れて行ってもらった、ロサンゼルス ディナーショーのあの興奮です。

「ドーン!ってなって、バーン!ってなって、ドキドキするけど、歌って踊ってみんなハッピー!」

(当時の自分はこんな風に感じていました。実際の内容はもっと複雑なはずです。でも、思い出すのは、ハッピーだったという事。)


親戚と一緒にご飯を食べながら、言葉がわからなくても理解できる楽しさで、劇場を出る時の爽快感!くぅー!もう一回行きたい!自分が、ミュージカルを作りたいという根底にあるのは、このような、作品の向こう側にある、とてつもない興奮と感動が渦巻く空間だよな。と確固たる思いに変わっていきます。

答えはすぐに出ました。

だったら、まずは、劇場ミュージカルをする前に、誰もがそういう環境に行きやすいよう、レストランシアターでの公演をしよう!そこで、この空間に足を運びたいって思ってくれるようなお客さんや、応援してくれる方々を見つけて、3年後、その方達と一緒に劇場ミュージカルを上演しよう!と。

ACTMENT PARKの始まりはトラブル続き!?

こうして、ACTMENT PARKの初期の形【どこまでが芝居で、どこからが現実なのか?】をテーマにした、レストランシアターでの体感型エンターテインメントが始まりました。そう「木村拓哉さんって美容師じゃなかったの?」と感じさせられたような、現実と芝居のせめぎ合いです。


難しい台詞回しは一切なし。よりリアリティを出すために、作品の内容はレストランで巻き起こるトラブル物。レストランの停電、ラジオDJの遅刻、お客さんの乱入、謎解きミステリー、公開収録・・・。それらはすべて、自分の小さい頭で計算された緻密で秀逸なストーリー展開で(小さい頭だからこんなこと言っちゃう)、芝居と現実の境界線を無くしていきました。(半端ない助言を下さり、協力してくださった方がいたのは言うまでもない。)

舞台上と客席の境界線をも巧みにとっぱらい、見ているお客さんは、まるで、動き出した船の上に、一緒に乗っているかのような感覚になるように。そんな世界を作り上げていきました。

劇場のテーマパーク

結果・・・回を重ねるごとに、家族連れでお越しになる方が増え、カップルがお越しになり、友人グループでお越しになり、1作目で同じテーブルになった方同士で2作目お越しになり「劇場のディズニーランドみたい!」という感想を頂くようにもなりました。

あ、自分の目指してきた世界は間違ってない。一歩ずつ近づいて行っているんだ。そんな思いが確信に変わる頃、ACTMENT PARK RESTAURANT Vol.1から3年目を迎えた、2020年、最初の約束通り、劇場でのミュージカル公演に漕ぎ着けました。(※正確には、2020年9月公演を予定していたが、情報公開前にコロナの影響で2021年6月に延期。)

3年の月日は、流れるように・・・

こうして、劇場ミュージカル1作目の直前、2021年4月ACTMENT PARKを法人化し、現在の(株)ACTMENT PARKが完成しました。

そこからは、ACTMENT PARKという名前に込められた「芝居をアミューズメントパークのように、誰もが楽しめる”場所”や”空間”を創りたい。」という理念のもと、念願だったミュージカルを劇場で公演していく事となります。自分が、心底見たい!みんな絶対に見て!と思うような作品を目指して・・・。

魔女が住む魔法の世界、ブロードウェイの大女優、架空の街サントクレア、願いを叶えるカフェ・・・

ACTMENT PARKの作品は、現実の世界には、なかなか存在しないだろう非日常空間を舞台にしながらも、誰もが持っている”信念”や”愛”、時に”裏切り”や”友情”、”運命”といった、一度は感じたことがあるだろうメッセージを込めています。
見る人によって、感情移入するキャラクターが変わり、見る時期によって、受け取るメッセージが変わっていくような、そんな「日常の中にある非日常」をテーマに。

最高の空間と時間を作る。

コロナの緊急事態宣言真っ只中で動き出した1作目からそれ以降、毎公演、本当に多くのキャストがACTMENT PARKが作ろうとしている世界を体現してくださり、その世界にお客様が遊びにきてくださり、単純明快かつ伏線が回収されていく爽快感があるような作品作りを目指して、走り続けています。

なんだ、この楽しさは!なんだ、この興奮は!!なんなんだ、この空間は!!!

となっていただけるように。

一つの作品を通して、より多くの方々と一緒にあの空間を作り上げたい。そんな思いに賛同してくださる方がいるからこそ、名だたるミュージカル作品とともに、LAWSONチケットさんが注目公演として名前を挙げてくださり、岡山県の美星町という一つの町が後援についてくださり、お客様からご声援をいただき、足を運んでくれるようになったのではないでしょうか。


「ちげ〜よ。ACTMENT PARKの思いなんて知らないけど、誘われたから行ってるだけだよ。」って方がいたら、教えてください。そらもちろん、最初は、どんな人であれそうだろうけれど、どんな理由であれ、平等に流れていく同じ時間の中で、ACTMENT PARKに出会い、その人生の一部を費やしてくださっただけでも、この上ない感謝感激幸せです。(あ、ちなみに、そんな方にも笑顔になってもらえるだけの力はあると信じています。ふふふ。)

最新作!雫の星語り~Only God Knows~

そんなACTMENT PARKは、次回最新作「神話×和」をテーマにした作品として、

雫の星語り~Only God Knows~

を上演します。(2024年6月29日~7月7日新宿シアターサンモールにて)
総勢57名のキャスト、スタッフ合わせると100人近くの大所帯で、9日間、最高の空間を創り、皆様を神々のいる世界へ誘います。

また、神話だなんて・・・壮大なテーマを前に、日常なんてあんのかよ。なんて、思っちゃいますが、あったんですね。神話の中に、私たちの日常。

人間らしい神様が織りなす、苦悩や葛藤、抗えない運命を前に、私たちは、どんな選択をするんだろう?あの日、あの時、あの場所で・・・。
誰もが見上げたことのある、星を見ながら、今年の七夕は、あなたの中にも存在する、ACTMENT PARKが生み出す新たな何かに、会えるはずです。


劇場ロビーには、短冊があり、星が出て、小さいお子様も楽しめるようなブースの設置でお祭り騒ぎ・・・。この夏、おすすめのデートスポット、観光スポット、ミュージカル観劇として、楽しくなること、間違いなしです。

ミュージカルファンの方も、ミュージカルを見たことない方も、どんな方でも心から楽しめる作品を作り、劇場の扉を開けてACTMENT PARKはお待ちしています。

ACTMENT PARKは、全世界を巻き込んで

ACTMENT PARKが楽しい理由。


それは、ミュージカルという一つの作品を通し、大勢の方々が一緒の時間を過ごし、同じ景色を見て、同じ空間で感動をする。その時間を味わえるからではないでしょうか。一人でも、一社でも、決して叶うことはない、作品作り。多くの方の願いや気持ちがACTMENT PARKの上に乗っかっているからこそ、さらに魅力的なものになり、説得力を持った形で人々に伝わっていくのではないでしょうか。

言葉がなくても伝わる楽しさ。


言葉を乗せれば、もっと伝わる面白さ。

ACTMENT PARKは、日本すらも飛び越えて、全世界を目指しています。ゆけ、ブロードウェイ。

ミュージカル脚本に隠された秘密

あ、そうそう。


ACTMENT PARKの作品が、ありがたいことに「面白い!」「世界観が素敵!」と言ってくださる方が多いのには、実は、研究の結果手に入れた、ちょっとしたストーリーのカラクリも後押ししているのかなと思っています。(ただ、これは、企業秘密でもあるので、またの機会にちょろっとだけお話ししますね。笑)

それでは、また。


ACTMENT PARKは、これからも皆様の夢と共に、その上に皆様の期待を背負って、走り続けることでしょう。

近い将来、最高の空間で、あなたとお会いできることを楽しみにしております!

無限の彼方へ、さぁ行くぞ。